第11代会長挨拶 村上 斎

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2012年4月より2年間の任期でJSAPDの会長を務めることになりました村上でございます。会長就任にあたり、会員の皆様にご挨拶申し上げます。

光陰矢のごとし、と言いますが、月日が過ぎ行くのは本当に速いもので、私が向学心に突き動かされてアメリカ留学に旅立った1982年から、今年(2012年)でちょうど30年となります。ニューヨーク大学で3年間学んだ後に帰国し、数年後に元留学生の先輩方からお誘いいただいて設立間もないJSAPDの会員となってからでも、すでに20年以上が経過しました。ついこのあいだ新入会員になったような気持ちでいたのが、いつのまにか会長を拝命するような年齢に到達していたことに改めて気付き、2年間の在任期間中に会長としての職責を果たすためには何をなすべきか、本年4月の会長就任を控えた数ヶ月間、呻吟いたしました。

考えた末、諸先輩方が築き上げてこられた伝統あるJSAPDの運営を恙なく行うことに加え、会の認知度を高めることが必要だと思い至りました。すなわち、現在のJSAPDの活動や会員の皆様について、より多くの人に知っていただくための努力をすることが重要であり、様々な方法で認知度を高めることが、会のさらなる歩みと発展につながるものと考えています。JSAPDの過去の活動についてはこのウェブサイトでその一部をご紹介していますが、主な事業としては、会員のみを対象としたクローズドセミナーならびに会員以外の歯科関係者をも対象としたオープンセミナーを毎年1月に開催しています。この二つのセミナーの内、クローズドセミナーには残念ながら会員以外の方は参加できませんが、留学から帰国して間もない若い歯科医師が最新の知識や技術を披露するとともに先輩たちからの鋭い質問攻めの洗礼を受けるという切磋琢磨の場になっています。また、オープンセミナーでは、演者に選ばれた様々な年齢層の会員がその年のテーマに沿って高いレベルの発表を行うとともに、翌年以降のテーマへとつながる議論を繰り広げています。

これらのJSAPDの基本的な活動とその内容を、より多くの歯科関係者に知っていただくことが、まず必要だと考えます。もちろん、これまでにも歯科界のマスコミから取材を受けたり、歯科関係の雑誌にオープンセミナーの広告を出したりはしてきましたが、広報活動がやや不十分だったのではないかと思います。JSAPDの会員であり、セミナーに参加されてきた方々には自明のことであっても、それ以外の人たちには両セミナーの内容がきわめてハイレベルでかつ多様性に富んでいることが十分に伝わっていないのではないでしょうか。

伝わっていないのは、セミナーのレベルだけではありません。JSAPDの会員は、アメリカのみならずヨーロッパやオーストラリアのきわめて高いレベルの大学院教育を受けてこられた歯科医師ばかりです。会員名簿を見ると、長年にわたって日本のみならず世界の歯科界をリードしてこられた方々が多数いらっしゃいます。また、全国各地に歯科のあらゆる分野のスペシャリストがおられます。このようなことが我が国の歯科界だけでなく、一般市民に十分認知されているとは言えないのが現状ではないでしょうか。

今はインターネットの時代です。世の中により広くJSAPDの存在やその活動について知っていただくためにはウェブサイトを有効に活用するべきだという観点から、我々のウェブサイトをリニューアルすることを役員会で決定しました。また、役員会の他に総務・広報委員会を設置し、この新しいウェブサイトのコンテンツについて議論を重ねていただきました。もちろんウェブサイトだけが広報の有効な手段ではありません。他のメディアとの連絡もさらに充実させたいと考えています。ですが、会員の先生方の貴重なご意見をリアルタイムで反映しながら会の広報を進めていくという点では、ウェブサイトが優れていると思います。セミナーやウェブサイトを含めた会の運営についてなにかご意見がありましたら、いつでもウェブサイトを通じて事務局にご連絡ください。

私の会長在任中の目標は、会を円滑に運営するとともに、広報活動を通じてJSAPDの存在とその素晴らしさを一人でも多くの方に知っていただくことです。JSAPDという名前がより広く認知されることにより、会がさらに発展するとともに、日本の歯科医療の水準が向上することにつながるものと考えています。会員の皆様方のご協力のもとベストを尽くしたいと考えていますので、これからの2年間、よろしくお願い申し上げます。