会長挨拶


第17代会長 築山鉄平

米国歯科大学院同窓会(JSAPD)のHPへようこそ!!

私たちJSAPDは、アメリカあるいはヨーロッパで歯科の各専門分野の正式な専門医カリキュラムを通じた臨床トレーニングを受けて日本で活躍する歯科医師の団体です。

日本の歯科医療を飛躍的に向上させた天才、故保母須弥也会長の下1990年に発足し、間も無く35周年を迎えようとしています。当時の日本の歯科医療は経験豊富な巨匠や重鎮の先生らによって形作られていましたが、アメリカではさまざまな数字や根拠に基づく歯科医療が一般的で当初は日本の歯科医療を大きくリードしていたと言えます。時が流れて情報は日本にも伝来し、現在ではネットを通じてあらゆる情報にアクセスができるようになりました。一見、アメリカやヨーロッパが行ってきた「科学的な根拠(エビデンス)に基づく」歯科医療が日本にも定着してきたように思えます。そういう意味では、本会の強みや優位性が薄れてきているのかもしれません。しかし自分の信じる診療方針に合致するエビデンスは世の中にありふれており、今度は何が本当に王道でファンダメンタルな内容かを世の中が見失いやすい世の中になってきたと思います。そういう情報が氾濫している時代だからこそより本質的な情報や土台となる情報の大切さが問われおり、JSAPDの存在意義は逆に強まる必要ばかりでしょう。

一方、わたしたちJSAPDもグローバルスタンダード(世界基準)という言葉の意味を再考する必要があると思います。留学して学んできた多くの情報は日進月歩で進化していきます。当時、世界基準と捉えられてきた考え方も今では時代遅れの可能性もあります。つまり留学経験がある=グローバルスタンダードであるという思い込みも払拭しなければなりません。グローバルスタンダードであるということは、海外からみた日本の姿、日本から見た海外の姿をメタ視線で見ることでより自分達自身を客観視し、本質的な医療を追求することができるようになるための足がかりです。

本会が、ただ留学から帰国した歯科医師の集まりにならないよう新たな価値の創造ができるような、そしてひいては日本の歯科医療に貢献できるような団体として成長できるように精一杯汗をかきたいと思います。これからの私たちにぜひご期待ください!!