第16代会長挨拶 冨岡栄二 

米国歯科大学院同窓会(JSAPD)

第16代会長 冨岡栄二

                              

米国歯科大学院同窓会(JSAPD)のWEBサイトにアクセスされた皆様へ

私たち米国歯科大学院同窓会(JSAPD)は、海外で歯科専門医の認定を受けた歯科医師のユニークな集団です。

JSAPDを構成するメンバーは、主に北米や欧州の歯科大学院、もしくは同等のプログラムを外国にて修了し、サティフィケートやMS(D), PhDの称号を与えられた歯科医師です。30年あまり前に米国歯科大学院を修了し帰国した数名のメンバーにより親睦団体として設立されましたが、1990年代半ばからは米国だけでなく、他の地域の出身者もメンバーとなり、メンバー間の交流の他、対外的発信をおこなっています。

日本の歯科界の中で、JSAPDがユニークである所以は、以下の3点です。

  1. 全てのメンバーが海外の歯科専門医教育を修了していること
  2. グローバルスタンダードな治療を海外で直接学んでいること
  3. 多様な分野の歯科専門医の集団であること

 

  1. 全てのメンバーが海外の専門医教育を修了していること
    海外の専門医として認定されるためには、以下の2つが求められます。

     

    1. 大量の文献を幅広く、かつ深く読み、包括的に理解し、エビデンスにもとづく歯科臨床を構築できること
    2. 実際の臨床をおこなう高度な技術と、経験をもっていること
      患者さんの利益となる歯科治療を提供するためには、IとIIを合わせ持っている必要があります。この2つは、時に、「理論と実践」のように、別の側面として言われることがあります。しかし、IのためにはIIが必要ですし、IIはIにもとづいて行うことになります。海外の専門医教育では、IとIIが一体となった歯科臨床を習得することが求められます。フルタイムで2−3年の期間を要することになりますが、JSAPDのメンバーは、地域の違いにかかわらず全員がこの過程を修了しています。
  2. グローバルスタンダードな治療を海外で直接学んでいること
    JSAPDのメンバーは、グローバルスタンダードなエビデンスと臨床を、海外の著名な歯科医から直に学んでいます。学びの過程では、自ら情報を収集、消化し、臨床に結びつける訓練を積んでいます。日々発信される新しい情報をとりいれ、自身の力で臨床をアップデートし続けることができます。
  3. 多様な分野の歯科専門医の集団であること
    臨床現場では、異なった専門分野をまたいだ包括的治療を要するケースが多く、専門医間での連携が重要となります。機能的な連携のためには、各専門医は、自身の専門分野だけでなく、周辺領域の知識や経験を持っていることが求められます。JSAPDは多様な領域の専門医の集合体であり、メンバーどうしの交流、情報交換も活発におこなわれています。この点でも、JSAPDは非常にユニークな存在といえます。

 

このような背景をもっている私たちJSAPDは、日本の歯科界に少しでも貢献できることを目指して活動を続けています。毎年1月に公開セミナーを開催しています。多くの先生にご参加頂けると幸いです。