第12代会長挨拶 二階堂雅彦

米国歯科大学院同窓会(JSAPD)
第12代会長 二階堂 雅彦

 二階堂 雅彦 jpg

Evidence Based Medicine,  Evidence Based Dentistry

 

 EBMの必要性が説かれてから多くの年月が経っています.しかしこの考え方が日本の歯科界に十分根づいたとは言えません.それは大学においてそれに基づいた教育がされていないからです

 一方アメリカの大学院教育ではEBMを基本にした教育がなされ、それらを繰り返し説かれることで学生は骨の髄までその考え方が染みこんでいます.

 JSAPD会員は留学先も違い、また各大学において特色ある教育がされてきています.しかしわれわれに通奏低音のように流れる共通項は、”Evidence Based”ということなのです.

 

スペシャリスト

 

 JSAPD会員は歯学部の大学院(Graduate Program)を卒業し、専門医(スぺシャリスト)としての教育がなされています.日本の大学院教育のゴールが論文を書き学位を取得することが目的だとすれば、アメリカの大学院教育のゴールは各分野でのスペシャリストになることなのです.

 アメリカの専門医は、原則その分野の治療しか手掛けず、他の分野の専門医と連携して治療にあたっていきます.その意味では日本で認定されている専門医とは若干意味合いが異なります.またアメリカで各学会から切り離された組織として“Board”という組織があり、Board を取得(Board Diplomate)することは専門医のゴールと考えられています.

 スペシャリストはスペシャリストであり続けるために、常に学会への参加などで新しい知識や技術の研鑽に努めます.そしてそれらを日本の歯科医に還元するのがこの会のもう一つの使命でもあると考えています.

 

 JSAPDはこれからもEvidenceに基づいた歯科医療の意義を発信し、スぺシャリストとしての情報を日本の歯科界に還元するのを目的として活動を続けていきたいと思います.