米国歯科大学院同窓会(JSAPD)
第14代会長 岡村 光信
2018年4月から2年間、米国歯科大学院同窓会(JSAPD)の会長を拝命することになりました。会長就任にあたり、会員の皆様にご挨拶申し上げます。
JSAPDは歴代会長、執行部の先生方、会員の先生方のご尽力により発足から22年の間、時の執行部によりクローズドセミナー、さらにはオープンセミナーの開始、そしてウェブサイトの充実などの数々の工夫がなされ、今日の歴史と伝統あるJSAPDとして発展してまいりました。また近年におきましては、米国のみならずスウェーデンやドイツなど欧州の大学院にて研鑽を積まれた先生方の会員としての参加も増え、グローバルな視点をもつ歯科臨床家の会として認知されるようになりました。
私がいたく共感しましたある記事の一節と私のインディアナ大学での恩師の講演の一節を引用しまして、会長としての抱負を述べさせていただきます。日本の近代国家形成を目指した政財界人のひとりである渋沢栄一を発起人のひとりとして設立された帝国ホテルでは、1890年の開業以来、ランドリーサービスの導入、ショッピングアーケード開設、ホテルウェディングの開始や人材育成部の創設など、数々の「日本初」、「ホテル業界初」を導入してきました。125年以上にわたってこのような“革新の積み重ね”すなわち新たな取り組み、挑戦をくり返した結果、今日の伝統が築かれ、今後も新たな革新が新たな伝統として受け継がれてゆく、と記されています(帝国ホテル RecruitingSiteより)。
また、私の恩師であるDr. Charles J. Goodacreはある年に行ったAmerican College of Prosthodonticsミーティングでの“支台歯形成の原則”についての講演の最後に、“プリンシプル(原理原則)をまもっていくことも非常に大切なことである。しかしながらチャレンジも大事なことである。先人達が失敗と成功をくり返しながら新しいプリンシプルを作ってきたように”と述べていました。
私たちのJSAPDも新たな試みとして、私が開業している博多で2019年7月の博多山笠期間中に、年一回の東京開催とは別に地方としては初めての特別公開セミナーを催す予定です。これは主に九州の若い先生方を対象とし、世界基準の歯科臨床の啓蒙とともに留学の相談も行うもので、本会の活動を広く知って頂くためにも大事な試みではないかと思っております。
本会のこれまでの歴史の積み重ねと発展は、言うまでもなく先輩諸先生方のご努力とご苦労の賜物に他なりません。これからも会員および役員の先生方とさらに、“新しいことへのチャレンジ”すなわち“革新の積み重ね”の精神を忘れずに、これからのJSAPDの伝統を作っていく所存です。そして本会が日本の歯科臨床の知識ならびに技術のリーディンググループとしてこれからも発展していくために、微力ながら尽力させていただきたいと考えております。